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高知市高そねにある小児科・内科のうえたクリニック。小児科・内科の診察・診療は当院へ。

先生教えて

VPDについて

皆さん、VPDってご存じですか? VPDとはVaccine Preventable Diseasesの頭文字の略で、
ワクチンで予防できる病気
という意味です。決して0になるわけではありませんが。


うまれたばかりの赤ちゃんは、病原体に対する免疫機能が十分に発達していません。
そのため、こどもの免疫機能が発達するまでの間、感染からこどもを守るため、母親の免疫物質(移行抗体)が赤ちゃんに移行する仕組みがあります。母親のおなかにいるときに胎盤を通じて、うまれたあとは母乳(特に初乳)から赤ちゃんに移行抗体が与えられます。ただし、すべての病原体に対する移行抗体があるわけではありません。出生直後より、赤ちゃんに感染することもあります。また、生後5〜6か月になると、母親からの移行抗体は消失します。

 感染症は、移行抗体が乏しく生後早期からかかりやすいもの、移行抗体が消失後にかかりやすいものがあります。また、免疫機能の未熟性などの関連もあり、ワクチンのスケジュールが決められています。
 
 同時接種するなら生後2カ月からワクチンが受けられます。スケジュール通り受けるのをお勧めします。というのはワクチンを受けてすぐに免疫がつくわけではありません。また、ワクチンを先延ばしにするとせっかくワクチンを受けて予防できる病気にかかるかもしれません。同時接種をしたくないっていう方もいます。一つずつワクチンを受けたいのであれば、生後6週からロタワクチンを、生後早期からB型肝炎やBCGも受けられます。(※ただし条件付き。)
ただ、外来受診の回数が増えます。同時接種での副反応については単独接種した場合と大きな差はみられないようです。
 
ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンが定期接種された後、小さいこどもの細菌性髄膜炎の発症率が激減しました。そして細菌性髄膜炎による後遺症や死亡者数も激減しています。

また、日本ではほとんど普及していませんが、子宮頸がん(パピローマウイルス)ワクチンはオーストラリアをはじめ多くの国々で接種されています。オーストラリアは男女ともに接種が推奨され、多くの若者が接種し、さらに、子宮頚部のパピローマウイルスのPCR検査を定期的に行われた結果、子宮頸がんの発症率が激減し、稀少疾患の扱いになりました。

たくさんのワクチンがありますが、それで大きな病気を予防できる可能性が高くなるので、スケジュール通りに受けることをお勧めします。


そうは言っても
「ワクチン多すぎるから忘れそう……」
「兄弟の年齢が近くて混乱する」

という方がほとんどだと思います。

現代には便利な予防接種の管理アプリがありますので、ご活用ください。
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