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先生教えて

子宮頸がん(HPV)ワクチン 〜世界で激減する子宮頸がんが、日本で減らないワケ〜

定期接種の中で、唯一がん発症を予防できるワクチンです。性交と関係があります。ウイルスが感染しても90%は排除されます。一方、HPVのなかでも高リスク群のタイプの感染が数年〜数十年にかけて持続すると前がん病変、子宮頚がんを発症すると言われています。年間1万人が20〜40代中心に発症し、3000人弱が死亡しています。

現在、中学校1年生〜高校1年生の間の接種が標準になっていますが、ほとんど受けられていません。痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動等を中心とする「多様な症状」の副反応報告がマスコミから報道され、以後、ワクチンに勧奨から外れ、受ける方も激減しました。その後、Nagoya Studyで、年齢層をあわせて、HPVワクチン接種群と非接種群との比較で有意差はなかったと結論付けられました。しかしながら今も受ける人がほとんどいません。

 一方、外国ではHPVワクチン接種が行われています。オーストラリアでは、男女ともに9価ワクチンの接種を行い、HPVのPCR検査を定期的に行っている結果、子宮頸がんの発症率が激減して、2020年には稀少疾患の扱いとなりました。2028年には子宮頚がん撲滅宣言を出す見込みだそうです。

日本で3種類の子宮頚がん(HPV)ワクチンが販売されています。2価(サーバリックス)、4価(ガーダシル)、9価(シルガード9)のワクチンがあります。HPVによる子宮頸がんの発症リスクの割合の高い16、18型はいずれにも含まれています。現在、2価(サーバリックス)、4価(ガーダシル)が定期接種として受けられます。有効性はいずれも70%です。一方、任意接種になりますが、9価(シルガード9)の有効性はHPVの16型、18型以外の型も含まれており、90%の有効性があります。

 初交以前に接種した方が有効性が高まります。現在、いずれも任意接種であれば9歳から受けられます。4価(ガーダシル)のみ男性も受けられます。HPVによる子宮頚部への感染はピンポン感染であり、男性も受けた方が女性にかかりにくくなります。また、口腔がんや肛門がんも低下させる可能性があります。

 ぜひ子宮頸がんワクチンも受けることをお勧めします。
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